田舎では京大なんか大学じゃない

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関西では知り合いが東大に合格したと聞いても、「へぇーっなんでわざわざ東大なんか受けたん?
京大でええのに」と言われるのがオチである。

 

それは東京に住む人間に聞いても同じ事で、京大を受けると言うと「どうして東大を受けないの?」とか、「早稲田でいいじゃない?」とかなり言われるそうである。

 

つまり東京近辺の頭のいいヤツは東大へ行き、関西の頭のいいヤツは京大へ行くというのが都会の常識で、事実東大でも京大でも、学生の半分以上は地元出身なのである。

 

東京都下の受験生が東大入試の傾向に合わせてしっかり準備をし、関西の受験生は京大合格を目指して勉強するから、そうなっているだけのことである。

 

だから東大・京大という序列で大学を考えているのは、東京や京阪神以外の地域に住む人たちだけであって、それは千葉とか神奈川とか栃木といった、東京周辺「県」からは結構たくさん学生が大学に来るのに、人口が日本一多いはずの東京「都」からは、学生があまり来ない事からもよくわかる。

 

東大と京大とはそういう訳で確かに差はあるが、別個の異なる存在として並立しているのである。

 

ところが田舎では東大以外は、大学だと思われていないらしい。

 

これは昔福井出身のヤツに聞いた話であるが、田舎では「東大へ行っている」と言えば、
「うわーっそれは凄い よくやったな!」とか
「末は博士か大臣だな期待してるよ!」などと
一族ロウトウ寄り集まり近所の人間や、犬やネコまでがお祝いに駆けつけて祝福してくれるのだそうだ。

 

しかしうっかり「京大に合格した」とでも言おうものなら、
「へえーっなんで東大受けなかったの?」
「京大に何しに行くの?」と不思議がられ、そして挙げ句の果てには
「京大なんかに合格するより東大受けて
滑ってたほうがまだ値打ちがあるよ」とまで言う人まで出てくるらしい。

 

彼にしてみれば、それは単に趣味の問題でしかなく、京大でやりたい事があったから京大に来ただけであって、東大は初めから全く眼中になかったのである。

 

がしかし彼の地元ではどうしてもそれが全く理解されない、東大以外は大学ではないらしい。

 

だから彼はいつも「やっぱり田舎の人間はダメだ、学問せんから京大の価値が全然わかっとらん!」と怒っていた。

 

しかし彼がいくらそういう話をして説明しみても、彼の周囲の者は納得せず、それ以降も何度も何度もそう言われるので、最後には彼もとうとう「今何してるの?」と尋ねられても、あいまいに「京都の方の大学へ行ってます」と答え、けっして大学に行っているとは答えない事にしたと言っていた。

 

そして長崎出身のヤツに聞いても、広島出身のヤツに聞いても、地方には多かれ少なかれそういう雰囲気があるらしかった。

 

だからヒダカ君の弟が東大に現役で合格したという話を聞いた時も、彼はちょっと嫌そうでブツブツ不満を言っていたが、ボクらにはその気持ちがよく分からなかった。

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