なぜそんなところに住んでるんだろう?

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ユカリさんはその小さな身体のどこに、そんな元気が詰まっているのだろうかというくらい、元気な人であった。

 

麻雀の面子を集めるために、夜な夜な都大路を車で走り回り、そして面子を揃えると、夜明けまで元気に麻雀して遊ぶような、そんなタフな人だった。

 

ボクはそれまで彼女のようなタイプの女のコというのを、間直で見たことがなかったので、彼女と会う度「世の中にこんな元気な女のコがいるのか!」とか、「世の中にこんなリラックスした女のコがいるのか!」といつも驚き、そして彼女の積極的な思考や行動に何度も何度も仰天させられた。

 

だいいち彼女の住んでる「下宿」が凄かった。

 

というのも何とユカリさんは、たかが一人の女のコが大学に通うために住むだけなのに、新婚のカップルが住むような、広い鉄筋の一LDKのマンションに住んでいたからである。

 

当時はまだ学生向けのワンルーム・マンションなんていう、マンションなんだかウナギの寝床なんだかわからないような部屋が、京都でもボツボツでき始めたばかりの頃だった。

 

だが彼女の住まいはバス・トイレがしっかり独立した、本当にちゃんとした住まいであった。

 

キッチンも広くダイニングテーブルまで置いてあった。

 

「ユカリさんは一体この部屋に、毎月いくら払っているのだろう?」。

 

想像するだけで自分との貧富の差というものを、感じずにはおれない、そんな住まいであった。

 


だがしかしボクの驚きは、それだけでは終わらなかった。

 

というのもそのマンションは何と
大学のキャンパス(百万遍)からかなり離れた、紫野と言う場所にあったからである。

 

そして彼女はなんとそこからわざわざ車を運転し、大学まで通っていたのである。

 

新婚向けの一LDKに一人で住んでいたこと自体、すごく豪勢なことではあるのだが、大学に通うためにわざわざ、大阪の実家を離れて京都にやってきたというのに、なぜまたそんな通学に不便な、遠隔地にアパートを借りる必要があるんだろう?

 

貧乏人の常識からすれば、「大阪から出てきて下宿するのに、何でわざわざそんな遠くに住む必要があるねん!」。
「そんな遠くに住んでまたなんで、わざわざ大学まで車で来んといかんねん!」と言うことになるが、なぜだか彼女はそういう選択をし、そしてそういう暮らし方をしていた。

 

「うーんユカリさんって一体何を考えているんだろう?」。

 

ボクはユカリさんの下宿(というよりマンション)に行く度に、いつもそれを考えていた。

 

そしていつも「なぜだろう?」と思っていた。

 

大学から遠く離れた場所にわざわざ居を構え、車で大学に通うメリットなど一体どこにあるのだろうと。

 

だがしかし貧乏に育ち貧乏に凝り固まったボクの頭では、どうしてもその理由がわからなかった。

 

大学の近くに住み四畳半でなるべくお金の要らないような生活こそが、学生生活において「最適なのだ」としか思えなかった。

 

そんな面倒なことをする必要が、一体全体どこにあると言うのだろう?

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