見わたせば、なぜかガタクタばかり
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家に帰ってから、ヤグチ君の実家の広々とした様子を思いだし、そしてそれと自分の部屋や実家の様子と比べてみると、明らかに自分の部屋や家にあるのは、ガラクタばかりのようであった。
ウチの実家に置いてある家具は、デカくてセンスの悪いモノばかりだし、敷いてあるカーペットだって何も考えずに買ったような緑色の、しかも掃除しづらいモノである。
天井も低いし中途半端な高さのガラス棚や、三面鏡をゴテゴテ置いているために、八畳ぐらいあるスペースも、実際人間が動けるのは四畳半ぐらいしかなくなっている。
そういう意味もなく場所をとっている、飾りタンスや小さなテーブルなどは、捨てるかベランダにでも出しておけば、部屋を広々使えて気持ちが良さそうなのだが、どういうわけだかウチの母親は「そんなもったいないことでけへん!」と言って、そうしなかった。
またボクの下宿の四畳半だって、実は本は本棚に収まりきらずあちこちに無造作に積んであったし、ロクに使いもしないバーベルセットだとかダンベルだとか、バッテリーがダメになって使えなくなってしまったワープロだとかが転がっていた。
それ以前も使いもしないバカでかい中華なべだとか、パチンコ台・鳥のいない鳥カゴ・デカイビニールの衣裳ケース
・ゴミを吸わない中古の掃除機などのガラクタも、所狭しと置いてあったからほんとにもう無茶苦茶だった。
もちろん捨ててはいた。
そしてガラクタになるようなモノは、極力買わないように努力はしていた。
部屋を広く使おうとして、本棚は薄っぺらい文庫本用の背の高いものを使っていたし、胸より高い空間は見通しが良いように、なるべくモノを積み上げないようにしていた。
押し入れもフスマを外してカーテンを張り、そこを立体的な空間として利用できるように工夫して、なるべく部屋を広く使おうとしてはいた。
だがいかんせん、どう頑張ってみてもやはりボクの部屋にはガラクタが溢れかえり、そしてどんどん場所を狭くしていた。
「一体これはどういうワケなんだ。
どうして自分の部屋にはこんなにガラクタがあるんだ?」。
考えてみるが一向にわからない。
不要なものは極力買わないようにしているはずなのだが、結果的に見ればガラクタばかり買っている。
どうも貧乏人とゴルフ場のカラスは、ガラクタばかり集めたがるらしい。