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ユカリさんのこと

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そういうわけで「カワイイ女のコ」というのは、男性に本能的な衝動を起こさせる、何かを持ちあわせていて、多くの男性から言い寄られ、そして手厚い庇護のもとに生きている。

 

言ってみればそれはカワイイ妹のような存在であり、そして「ほおっておけないちょっとダメな娘」のような存在である。

 

もちろんそういう可愛い女のコが実際、ダメな娘かと言えばそうではなく、結構物事を冷静に見、そしてはっきりとした意志を持っている。

 

ただそれを他人に伝えたり何かを判断したりするとき、たいてい「他人(ひと)頼み」にし、そしてそれに対して周りの者が、彼女の意向を汲んでその通りにしてくれるものだから、そういう風に見えるというだけである。

 

もちろんそれが本人にとって良いことなのか悪いことなのかと言えば、それは本人がそれに甘えて生きることを良しとするかそれとも、自分を磨くことを求めるかどうか次第だろう。

 

ではもう一方の、「育ちの良い女のコ」とは一体どんな女のコであろうか?

 

ボクが大学に入る前に抱いていた彼女のイメージは、実はこうであった。

 

「育ちのいい女のコというのは物静かで肌が白く、話かけても大きな声では話さない。

 

小さな口で音も立てずにモノを食べ、趣味はお華やお茶そして映画鑑賞や美術館巡り。

 

楽器はピアノかヴァイオリンが弾け、そして飼っているペットは何十万もする小型犬か高級猫、、そんな女のコ。

 

だがしかしお金があり裕福で、しっかりした家業を持ちながらも子供たちを元気に育て、そして娘を大学のような難関大学へ入れてしまう、そんな裕福で堅実な家庭で育った本当に育ちの良いお嬢さんというのは、まるでそんなおしとやかな女性などではなかった。

 

元気で血色が良く声に凛とした響きがあり、そして大きな犬を連れて野山や都会を駆けめぐるような、そんなたくましい「生き物」であった。

 

ボクの出会ったその育ちのいい女のコ、彼女は名前を「ユカリさん」と言った。

 


ユカリさんはボクの麻雀仲間の、アマノ君のクラスメイトで、大阪でガソリンスタンドか何かを、手広く経営しているお金持ちの娘であった。

 

広いアパートに住み、そして自分で車をガンガン乗り回す、そんな感じの典型的なたくましいお嬢様であった。

 

しかし彼女はそのせいかワガママで態度もデカく、生意気だというのがアマノ君をはじめとする、友人たちの一致した意見であった。

 

友人達のうわさ話によると、彼女は「男を男とも思わず平気でアゴで使い、年上であろうが年下であろうが真正面から意見を言う。

 

自分の意にそぐわない事には平気で文句を言い、そして平気で他人を直になじったり、たしなめたりする生意気なヤツ」なのだという。

 

だから友人たちは彼女のことを、「オトコオンナ」とか「女帝」とか「ゴッドマザー」などと呼び、そうして昨日は誰それを使って自分の実験を肩代わりさせていただとか、今日はどこかの院生をやり込めて追い払っていただとか、いつもそんな話で盛り上がっていた。

 

そんなわけだからボクはてっきりユカリさんというのは、ガッチリした体格で筋骨隆々の、怖い女性なのだろうと勝手に想像していた。

 

だがしかし実際にボクの部屋に麻雀の面子として現れた実物の彼女は、何の変哲もないただの小柄な女性でしかなかった。

 

ショートヘアで化粧もせず、服装もラフで金持ちという感じも全くない。

 

上品ぶったところも特にないし、またかといって下品でもない。

 

ただとにかく見るからに元気そうで血色が良く、ハキハキしゃべる女性だなという印象の女のコでしかなかった。

 

だからボクはその時少し拍子抜けし、「なんや皆散々悪口を言ってたけど、ユカリさんてただの元気な女のコやないか。

 

一体この娘のどこが生意気で、どこが怖いって言うんやろう?」とそう思った。

 

だがしかし彼女はやはり、ウワサに違わぬ女性であった。

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